再受験か?それとも編入か?

医学部進学にあたり、学士卒の人ならほとんどが最初に悩むテーマではないでしょうか。

再受験も編入もそれぞれ一長一短ありますので、私もしばらくの間、迷っていました。

 

ここで、私が考えるそれぞれのメリットを以下に挙げます。

 

再受験

・合格の定員が編入と比べて多く、倍率が低い

・受験そのものにかかるお金は少ない

・これまで受験勉強で培ったノウハウを活かすことができる

・(編入と比べれば)受験に関する情報を得やすく、戦略が立てやすい

 

編入

・修業年限が12年短くなる可能性がある

・それに伴い、医学部在学中に必要な学費や生活費を抑えられる

・再受験と異なり、国立大であっても複数校の受験が可能

・入試の科目数が少ない

・試験が土日である(大学が多い)※

 

どちらを選択すべきかはバックグラウンドによって大きく変わってくると思います。

例えば、学力。高校までの基礎学力に自信があるなら、再受験の科目の多さはデメリットになりにくいかもしれません。あるいはそれまでの研究実績や社会経験、英語力に自信があるなら、編入試験のほうが有利に働くと思います。

 

再受験を選択した理由

 

①基礎学力がそこまで衰えておらず、リハビリ()にかかる時間が少なくて済むと判断したから

②東大受験時のノウハウを活かすことができ、戦略を立てやすいから(独学でも可能だと思ったから)

③受験に必要な資金面の問題

 

①について。

20185月に、ほとんど受験勉強しないまま、河合塾の全統記述模試を受けました。

そのときの結果は

英語 169/200 数学 159/200 物理 55/100 化学 61/100

偏差値:64.1(国立理系内)

「あれ?意外と行けるんじゃね?」と思ったのです。これで合格判定がE判定のオンパレードだったりしたら、考え直していたかもしれません。少し勉強すれば、10個下の新進気鋭の戦士たちとも対等に渡り合えるんじゃないかと思わせてくれたのが、5月の模試でした。

 

②について。

私は浪人もしていましたし、大学の一般入試については勉強法も含めてある程度心得ていました。一方、編入は全然情報がありません。今の時代は便利で、スマホ1台さえあればあらゆる情報にアクセス可能です。しかし残念ながら、編入に関する(質のいい)情報は非常に手に入りにくいというのが現状です。少なくとも私はそう思いました。

これを解決する手段として、KALSなどの編入専門の予備校を利用する手もあると思います。私も一度KALS新宿校の説明会に行きました。確かにここに通えば、情報は手に入るし、戦略も立てやすいでしょう。でも私はそこに投資する資金力を持ち合わせていませんでした。貯金が少なかったのです。それなら、やり方が分かっている再受験に賭けたほうが勝算もあると判断しました。

 

③について。

この記事の前半で、「医学部在学中に必要な学費や生活費を抑えられる」ことが編入のメリットの1つと書きました。卒業までの時間と費用を考えると、これは絶対的に編入が有利です。仮に一月の生活費が12万円程度とすると、学費を含めて1年間で200万円になりますし、ストレートで入学・卒業できるなら、1年早く(すなわち1年長く)医師として稼働できるわけです。

しかし…編入については見落としがちなポイントがあります。受験費用です。

編入は日程が重複しない限り、いくつでも併願が可能です。倍率のことを考えると、よほどの自信がない限り、複数校受けるのが普通だと思います。その受験校の中には、今住んでいるところよりも遠くの大学も含まれることになるでしょう。近場ならそうでもないかもしれませんが、遠いところであれば飛行機代or新幹線代+宿泊費、それも1次試験と2次試験で少なくとも2回行かなければなりません。下手すると、1校受けるのに受験料込で1015万円かかる可能性があるのです。

②で少し触れたように、編入の情報を得るために専門の予備校に通おうものなら、先ほど述べた200万円のコストダウンのメリットはなくなることも十分あり得ます。もちろん、1年でも早く卒業して医師としての稼働期間が増えれば、その限りではないですが…

 

在学中は奨学金を借りることを前提として私は医学部進学を考えていましたので、お金の問題については、入学までにかかるコストにフォーカスして考えました。手持ちの資金状況と、以上のことを踏まえて、私は「再受験」の道を選びました。

 

「お金」の問題もそのうち別の機会に書きたいと思います。

 

※再受験の場合、前期の2次試験は一律に225日・26日(大学によっては27日も)に実施されます。来年2020年の場合は火曜と水曜。社会人の場合は、少なくとも有給を2日間使う必要があるため、仕事のある方は試験日のことも考慮する必要があります。