英語の勉強法 (中編)
昨年の5月に書いた前編の続きです。
前回は速単の使い方について少し言及しただけでした。
今回は具体的な方法について触れます。以下の流れです。
1. 音読(1回目)
2. 写経
3. SVOCを書き写した文章の下に振る
4. SVOCが正しいかどうか、先生や英語が得意な友達に見てもらう
5. 音読(2回目)
それでは順に説明します。
1. 音読(1回目)
ストップウォッチを使って時間を測ります。
とりあえず声に出して読みます。もちろん意味を理解しようとしながら。
読み終わったら、「1回目:○分××秒」と記録をつけます。
英語というのは実用的な言語ですから、黙読だけではもったいないです。
声に出すと、「触覚」(口を動かす)と「聴覚」(自分で発声した文章を聞く)も利用することになるので、黙読よりも学習効果が高まると信じているからです(※根拠はありません)。
2. 写経
音読が終わったら、速単の文章を書き写します。
ノートの見開き1ページを使用します。
できるならこの時点で文構造を意識しながら書き写すのが望ましいですが、難しい場合は(最初のうちは)ただ書き写すだけでもOKです。
このとき、ノート1行書き終わったら、罫線があるノートであれば2~3行分スペースを空けて、続きを書いていきます。
※また別の機会に書くかもしれませんが、ノートは余白が多ければ多いほどベターと思っています。昔はみっちり書くのが好きだったのですが(笑)。
速単に収録されている文章のうち最初のほうは、書き写してもノートの右ページに達することもないかもしれませんが、空けといてください。
余白は、初見orなじみのない単語/フレーズをメモしたりするスペースとして活用します。
ところで、「英作文対策として写経は非効率だ!」と吠える人をたまに見かけます。
直接的な学習効果は確かに薄いと思います。
が、みなさんも昔は漢字練習をたくさんして漢字を覚えたように、英語も正しい文章を何回も書くという行為により、正しい英文を書く力を身につけることに間接的につながると思います。
写経の題材として速単が適切かどうかというのは別問題ですが、SVOC練習を兼ねて、写経もやるのは「効率的」だと私は考えます。
余談ですが…最近デジタル化が進んで漢字を書かなくなったせいで、いざ手書きになると漢字を思い出せなくなる…そんなこともあるので、書くというのは大事だと思います(笑)。
3. SVOCを書き写した文章の下に振る
さて、メインの作業です。
英語はとてもありがたいことに、通常必ずS+Vというセット構造があります。
SなしとかVなしとかそんな英語は通常ありません。
そしてこのセット構造は必ず1文につき1つです。
複数あるときは必ず「接続詞」が使われています。
5種類の文型の話はここではしません。
SVを把握するだけでも最初はOKです。
SVを見つけることに慣れてきたら、こんなこともしてみましょう。
・接続詞は波線を引いて、等位接続詞なら何と何を結んでいるのか書く
・副詞や前置詞句は()でくくる
・関係詞節や形容詞節は[]でくくる(先行詞/被修飾名詞に向けて矢印をつける)
・従属節は<>でくくる
パズルを解くように、だんだんと楽しくなってきませんか?
また少し余談を挟みますが、日本語は必ずしも「主語+述語」ではないのです。
大体の文章は確かにそうなのですが、主語が自明の場合は省略、みたいなのありますよね?
あるいは古文だと、敬語の違いで分かってしまうために、いちいち書かれないとか、「Aが+Bに/を+V(已)+ば~」と来たら、句読点の直後の主語は書かれていなくても必ず「B」とか。
英語は違います。自明であっても必ず代名詞等の何らかの名詞が置かれ、「S+V」のセットが存在します。
これはとても重要なことで、原則として「Vのみ」や「S+V+V」といった文章はありません。
英語が苦手な人は、SVのセットを見つける練習から始めてみましょう。
そして「SVのセットを正しく見つけるために英文法を学ぶ」という考え方もできます。
4. SVOCが正しいかどうか、先生や英語が得意な友達に見てもらう
3.でふったSVOCが正しいかどうか、チェックしてもらいます。
客観的な視点があることで、自分のSVOC力をより確かなものにできます。
何か指摘があった場合、赤ペンで訂正します。
どんな教科の学習もそうですが、自分の間違いは消しゴム等で消さないでください。
「2. 写経」のところで書き忘れましたが、写経時のミスも赤ペンで訂正しましょう。
もし、3.の作業中に文構造が分からなかったものがある場合、そのときに分からなかった部分について質問しましょう。
例え自信がなくても、質問を丸投げせず、「自分は〇〇と思いましたが、これで合っていますか?」と聞けるようになると、答える側もスムーズに答えられるでしょう。
5. 音読(2回目)
SVOCが把握できたところで、1.と同じように音読をします。
同様に「2回目:○分××秒」と記録をつけます。
1回目より速く読むことができていると思います。
そして、1分あたりの語数に換算しておきましょう。
速単には文章の語数が書かれているので簡単に計算できると思います。
速度の目標ですが、1回目が100words/分、2回目が130words/分のペースであればひとまずOKだと思います。
なお、このレベルはあくまで必要条件で、できればもっと上を目指すことが望ましいです。
例えばセンター試験は総語数が4000wordsを超えるわけですが、100words/分では読むだけで試験時間80分のうち半分以上使うことになります(もちろん黙読は音読よりもスピードが上がるので単純な計算は当てはまりませんが)。
問題を解く時間や余裕のことを考えると、音読でも120words/分くらいは欲しいところですね。
このような練習を積み重ねていくと、何が期待できるのか?
それは次第に「英語を英語のまま理解する」ことができるようになります。
「単語はそこそこ知っているのに、英語は不得意」という人がいます。
このような人の多くは、SVOCをなおざりにしている、あるいは一度「英語を日本語に直す」作業をしている、という特徴があります。
はっきり言えば、これは読解においては致命的と私は考えます。
日本語に直す時間がもったいないし、そうやって出てきた日本語はSVOCに基づいていないことが多く、不正確になりがちです。
最初は時間がかかったり面倒だったりすると思います。
最初の文章ですら30分以上かかってしまうかもしれません。
しかし、練習を重ねると確実な英語力に化けるはずです。
諦めずに地道にやることをお勧めします。
私が高校生の時、人に見てもらいながら正確に素早くできるようになるまで、SVOCの構造把握は何度も繰り返し練習しました。そのおかげで英語は得点源になったと自負しています。
その他の速単の活用法や英語の勉強法については、また日を改めて書きたいと思います。
ではでは。